清新着実な学風をもってなる著者が、四十数年の研鑽を４部作に体系化し世におくる、古代文学研究史上初の、表現論・文学史論としての万葉集形成論。
今日の万葉集研究の一頂点をなす。
第８巻に参考年表・事項索引(別冊・新訂版)を付す。

【１巻目次】
第１章　基礎的考察
　第１節　古点期に至る万葉集
　第２節　聖武勅撰説による異本の成立
　第３節　万葉集成立論の問題点
第２章　舒明朝以前の万葉歌の性格
　第１節　巻一雄略御製の場合
　第２節　巻二磐姫皇后歌の場合
　第３節　巻三以下の「近つ世」の歌
第３章　記紀と万葉集
　第１節　古事記における時代区分の認識
　第２節　日本書紀と万葉集
第４章　古今歌巻の論
　第１節　「譬喩歌」の構造
　第２節　「人麻呂集歌」の配列
第５章　今歌巻の論
　第１節　憶良歌巻から万葉集巻五へ
　第２節　奈良朝宮廷歌巻
第６章　万葉集における歌謡的歌巻
　第１節　宮廷歌謡の一様式
　第２節　東歌

【著者紹介】（発行当時のものです）
伊藤博（いとう・はく）
1925年長野県生まれ。
京都大学文学部卒業。
筑波大学教授。
著書に『万葉集相聞の世界』『万葉のいのち』『万葉のあゆみ』『万葉歌林』『万葉集の構造と成立(下)』『万葉集の歌人と作品(上)』『万葉集の歌人と作品(下)』『万葉集の表現と方法(上)』『万葉集の表現と方法(下)』『万葉集の歌群と配列(上)』『万葉集の歌群と配列(下)』など。