塙選書103

伝承の虚構と真実
神武天皇の東征からヤマトタケルの伝説まで
精緻な史料分析によって、戦後否定された記紀の記述から
歴史的事実を探究する。

戦後否定された『古事記』『日本書紀』の記述を、考古学資料や中国史料などと照らし合わせ徹底的に検証。
海外に永く居住する著者ならではの視点から、皇室の起源や神武東征、卑弥呼・台与と崇神の関係など「日本の成り立ち」を探究する。

【目次】
はしがき　－クニ（国）の成り立ち－
１　「岩から生まれた男」と「炎から出た神霊」
　　　　　　　－神武天皇の名前を解きほぐす－
２　皇室の先祖としての熊襲・隼人
　　　　皇室の起源
　　　　ポリネシア神話との比較
　　　　トリックスター譚
　　　　東南アジアと原始日本
３　東征　－神武軍上陸地点の謎を解く－
　　　　出発
　　　　難波での敗戦
　　　　皇軍の上陸地点の謎を解く
　　　　伊勢神宮の始まりを考える
４　悲劇の英雄・ナガスネヒコの最後
　　　　奈良盆地への進入
　　　　ナガスネヒコとの対決
５　ヤマトは国のまほろば
６　神武天皇の系図を解明する
７　崇神天皇と卑弥呼・台与
８　誰が土蜘蛛・熊襲を征伐したのか？
　　　　双子の民俗
　　　　九州の土蜘蛛・熊襲征伐
　　　　誰が熊襲征伐をしたのか？
９　アヅマ（東）の夷平定物語
　　　　アヅマ（東）とはなにか？
　　　　ヤマトタケルによるアヅマの征服
　　　　ヤマトタケルの死　－白鳥伝説の検証－
10　歌物語（古代歌謡）の分析
　　　　撃ちてし止まむ
　　　　箸墓の歌
　　　　イヅモタケルの歌
　　　　思邦歌は思邦歌にあらず
　　　　ヤマトタケルの東征歌
　　　　一つ松の歌
11　絶対年代の探究

【著者紹介】（発行当時のものです）
角林文雄（かくばやし・ふみお）
1940年大阪府生まれ。
立命館大学文学部修士課程修了。
オーストラリア・クィーンズランド大学歴史学科シニア・テューター、ニュージーランド・マッセー大学東アジア学科講師を歴任。
著書に『アマテラスの原風景』『『日本書紀』神代巻全注釈』など。