『日本書紀』の研究は、歴史学・神話学・民俗学・国文学他各分野の専門家による共同研究の成果が相次いでいる。
本書は、先達の業績を継承し、各分野における最新の知識を結集しつつ、西洋における神話学の影響を踏まえて、神代巻の原文への資料批判を深め、語句に新解釈を加え、神代巻全体を新しい視点から、総合的に捉え直し、日本神話の源流を究明する。

【目次】
『日本書紀』巻第一
　神代　上
　　　第一段　世の始まりから最初の神々の誕生まで
　　　第二・三段　系図上の神々の誕生
　　　第四段　イザナキ・イザナミの交わりと島々の誕生
　　　第五段　天照大神・スサノヲの誕生と黄泉の国訪問
　　　第六段　模擬格闘と皇祖誕生の物語
　　　第七段　天照大神の天岩窟隠れと再出現の物語
　　　第八段　ヤマタノヲロチ（山田の大蛇）退治-英雄伝承
『日本書紀』巻第二
　神代　下
　　　第九段　出雲の国譲りと天孫降臨
　　　第十段　魔法の釣り針をめぐる神話
　　　第十一段　神日本磐余彦の尊の誕生
日本神話各論

【著者紹介】（発行当時のものです）
角林文雄（かくばやし・ふみお）
1940年大阪府生まれ。
文学修士（立命館大学）。
オーストラリア・クィーンズランド大学歴史学科シニア・テューター。
Ｐｈ．Ｄ．（クイーンズランド大学）。
著書に『アマテラスの原風景』『日本国誕生の風景』など。