過去の時代に沈潜しその時代像を明らかにし、現代という時代を相対化して認識すべく、資本主義形成・確立・展開に関わる日本近代経済史上未解決の諸問題を、貴重な史料や統計を駆使し検討を加えた、新稿を含む論文の集大成。

【目次】
〔開港への対応〕
　１　水上のシルクロード
　２　維新前後の「外圧」をめぐる一、二の問題
　３　太平洋郵船、ピー・オー汽船撤退後の沿岸海運
　４　開港後日本の対アジア貿易とアジア間競争
〔産業革命〕
　５　“産業革命”は死んだのか
　６　産業革命と資本家的企業
　７　二千錘紡績の蘇生
　８　筑豊炭鉱業の台頭
　９　明治後期諏訪製糸業における水車動力
〔独占形成〕
　10　独占組織の形成

【著者紹介】（発行当時のものです）
高村直助（たかむら・なおすけ）
1936年大阪府生まれ。
博士（文学）。
東京大学文学部教授。
著書に『日本紡績業史序説(上)』『日本紡績業史序説(下)』など。