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上代文学の表現に関し、大陸文学摂取享受の状態を、敦煌文書その他の新資料を利用し、出典論の立場から比較文学的方法により、巨視的微視的に考察した雄篇。
上巻は、「序説」「第一篇漢籍の伝来」「第二篇古事記の述作」「第三篇日本書紀の述作」「第四篇風土記の述作」から成り、記・紀・風土記中心の上代散文篇。
中巻は「第五篇万葉集の表現」一篇を収めた万葉集篇。
下巻は、「第六篇上代に於ける詩文学」「第七篇奈良朝文学より平安初頭文学へ」の二篇を収め、奈良朝末期から平安朝初頭にかけての散文韻文を選りすぐったいわば上代詩篇と名づけられるものである。
昭和40年度恩賜賞受賞
補篇は既刊の上・中・下に含まれない上代文学関連の論考を、内容によって類別した大著。
『国風暗黒時代の文学 補篇』と一対をなすものです。
【目次】
上代文献解釈への小さき径
中国文学と万葉集
大陸文学と日本古代文学
『日本書紀通證』解題
日本書紀の「よみ」-原本系『玉篇』を通して-
日本書紀の訓詁をめぐって-原本系『玉篇』との関聨に於いて-
日本書紀の訓詁
日本書紀の「ヨミ」に関して
『日本書紀』三則-その本文に即して-
『日本書紀』の訓読について
万葉用字考証実例(一)-原本系『玉篇』との関聨に於いて-
付・学事巻七
万葉用字考証実例(二)-原本系『玉篇』との関聨に於いて-
万葉用字考証実例(三)-原本系『玉篇』との関聨に於いて-
万葉用字考証実例(四)-原本系『玉篇』との関聨に於いて-
万葉語の「語性」
漢籍享受の問題に関して
漢語享受の問題に関して-「万葉語」の場合-
万葉語をめぐって
語の性格-万葉語「晩蝉」の場合-
万葉題詞のことば-「夜裏」・「留女」考-
暮年三省
漢語の摂取-漢語「立春・立秋」と「春立つ・秋立つ」など-
同一文字の場合
流るる月光
詩語一つ二つ-石上乙麻呂の場合-
「竹渓の山は冲冲」續貂
反省一則-『懐風藻』の詩-
歌はぬ憶良-れい「令侍東宮」の解釈-
憶良の「経紀」再々考
辞書の適用
同類語単一ならず-「二親」をめぐって-
憶良の漢語表現-「為天不幸」-
春の雁
本文校訂をめぐって-家持の蒼鷹の歌を中心として-
大伴家持のある一文
再び家持の歌を
大伴家持 越中に下向す-わたくしの一つの空想-
むつかしき哉 万葉集-春苑桃李女人歌をめぐって-
【著者紹介】(発行当時のものです)
小島憲之(こじま・のりゆき)
1913年生まれ。
大阪市立大学名誉教授。
1998年逝去。
著書に『古今集以前』『国風暗黒時代の文学【全9巻】上・中(上)・中(中)・中(下)Ⅰ・中(下)Ⅱ・下Ⅰ・下Ⅱ・下Ⅲ・補篇』など。
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