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塙選書116
歴史は一国の枠組みで
語られるだろうか
紀元前一世紀~七世紀に存在し、最盛期には現在の中国東北地方から朝鮮半島中南部までを支配した高句麗。
その領域ゆえに近年、中国と韓国の間で高句麗史の帰属をめぐって論争が繰り広げられたが、戦前の日本において高句麗史は、朝鮮史、満州史あるいは〈満鮮史〉のなかに位置づけられていた。
本書では帝国日本の大陸政策との関連を視野に入れ、なぜ〈満鮮史〉が誕生し研究されていたのか、また高句麗史がどのように評価されていたのかを批判的に検討し、さらに現在の国境にとらわれない、東北アジア史的視座の必要性を提起する。
【目次】
Ⅰ 高句麗史帰属問題と満鮮史
1 高句麗史帰属問題をめぐる対立
2 中国・韓国の高句麗史認識
3 戦前日本の満鮮史研究批判と問題点
Ⅱ 近代日本の朝鮮・満州認識と日露戦争
1 草創期の朝鮮史研究
2 日露戦争と白鳥庫吉の満鮮観
3 日露戦争後の稲葉君山の満鮮認識
Ⅲ 日露戦争後の朝鮮・満州支配と満鮮史研究
1 満州軍参謀と稲葉君山の「満鮮不可分論」
2 白鳥庫吉・後藤新平と満鉄歴史調査部
3 満鉄歴史調査部と満鮮史研究
Ⅳ 日本の大陸政策と満鮮史
1 稲葉君山の「満鮮不可分論」と朝鮮人の満州移民
2 檀君神話と稲葉君山の「満鮮不可分論」
Ⅴ 満州国と満鮮史
1 満州国と満州史帰属をめぐる日中の論争
2 「鮮満一如」と満鮮史
Ⅵ 満鮮史と高句麗史研究
1 満鮮史のなかの高句麗史
2 高句麗史研究の視角
【著者紹介】(発行当時のものです)
井上直樹(いのうえ・なおき)
1972年兵庫県生まれ。
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学専攻中退。
京都府立大学文学部准教授。
著書に『高句麗の史的展開過程と東アジア』など
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