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塙選書112
母性への歴史認識を深め
母性の未来像を示す
中世の母性のあり方と変遷を
女性への穢れ観を視野にいれ
女性と信仰・身体性・惣村との関係から解き明かす
女性は、身体的に妊娠・出産・授乳が可能なために、否応なしに母(=母性)の役割をおわされ、
また禁忌や産褥・月辱などの触辱観にとらわれてきた。
中世における母性のあり方と変遷を、女性と信仰・身体性・惣村との関係からたどって問いなおし、
新たな母性の歴史認識を示す。
【目次】
序論
1 今なぜ「母性」なのか
2 女性の身体性と穢れ観
3 研究史と本書の構成
第一章 中世村落と母性-「女(ムスメ)」の座から女房座へ-
1 年中行事と女性
2 女房座の成立
3 女頭人について
4 如法経田と女性
第二章 中世の女性と信仰―寄進状・比丘尼・キリシタン―
1 寄進状にみる信仰
2 巫女と比丘尼
3 キリスト教と女性
第三章 中世の女性と血盆経信仰
1 女性の信仰と血盆経
2 女性と血穢不浄観
第四章 中世の出産―着帯・介添え・血穢―
1 妊娠の自覚と社会の認知
2 出産の風景
3 産穢とその変遷
4 月穢とその変遷
第五章 中世の授乳―乳母と御乳人―
1 二人の「母」と権勢
2 授乳する乳母と授乳しない乳母
3 授乳の忌避
【著者紹介】(発行当時のものです)
加藤美恵子(かとう・みえこ)
1947年滋賀県生まれ。
滋賀県立大学大学院人間文化学研究科博士後期課程修了。
博士(人間文化学)。
元京都橘大学非常勤講師。元大阪府島本町議会議員。
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