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塙選書111
多くの民族・国家が接触・融合を繰り広げた、
東アジアの多元的な世界像を構築する試み
国境線が定まる以前のさまざまな国家や民族の興亡をとおして、
今日の韓国・朝鮮につながる「民族」や「領域」についての意識の形成過程を描きだす。
古朝鮮から高句麗・百済・新羅の三国の時代、
さらに統一新羅・高麗・朝鮮王朝・大韓帝国へといたる歴史のなかで、
朝鮮半島と中国大陸との間で繰り広げられた、
高句麗・渤海・女真人・満州人など、さまざまな国家や民族の興亡をとおして、
今日の韓国・朝鮮につながる「民族」や「領域」の意識の形成過程を描きだす。
また、不断に他の民族と接触・融合を重ねてきた朝鮮半島の人々の歴史から、
東アジアの多元的な世界像の構築を試みる。
【目次】
Ⅰ 朝鮮史の幕開け
1 朝鮮史の舞台
2 古朝鮮と楽浪郡
3 楽浪郡の滅亡
Ⅱ 三韓から三国へ
1 高句麗・百済の建国説話
2 夫餘国の幻影
3 三韓概念の変容
Ⅲ 北進政策の展開―高麗時代(Ⅰ)
1 ●(サンズイ+貝)江・平壌の変遷
2 北進政策の展開
3 もう一つの系譜
Ⅳ 檀君神話の誕生―高麗時代(Ⅱ)
1 金朝と高麗
2 妙清の乱
3 檀君神話の誕生
Ⅴ 古朝鮮の継承―朝鮮時代(Ⅰ)
1 檀君と震檀
2 箕子と平壌
3 遼東と三韓
Ⅵ 間島への道程―朝鮮時代(Ⅱ)
1 東北辺境の開拓
2 定界碑と分界江
3 国境の談判
Ⅶ 大韓帝国の夢
1 国号の改定
2 再び国境の談判
終章 歴史観の相克
【著者紹介】(発行当時のものです)
矢木毅(やぎ・たけし)
1964年富山県生まれ。
京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。
博士(文学)。
京都大学人文科学研究所准教授。
専攻は朝鮮中世近世史、特に政治史・政治制度史の研究。
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