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塙選書105
流行の先端を行く小姓たち
肩裾・片身替・斜め取り、
寛文模様から元禄模様、
そして紋付裾模様へ
華やかな小袖・振袖の流行の変遷を
当時の絵画のなかにたどると、
ファッションリーダーとしての
小姓・従者の姿が浮かび上がる。
桃山時代から江戸前期の『十二ヶ月風俗図』『歌舞伎図巻』『洛中洛外図巻』などの肉筆画や、『男色大鑑』などの版本に描かれた挿絵の、服飾表現(主に小袖・振袖の模様)から、服装の流行の変遷とファッションリーダーとして人々の耳目をあつめた小姓や従者の姿を明らかにする。
また、日本服装史概説書の整理を行ない、服装史研究の時代背景を明らかにするとともに、さまざまな時代・地域における服装にこめられた人々の思いを知り、それを日々の服装の実践に役立てるものとして服装史を構想することを提案する。
【目次】
序章 服装の変遷とファッションリーダー
Ⅰ 華麗なる小姓たち
十二ヶ月風俗図 桃山時代(1570~1580年代)
Ⅱ かぶき者と従者たち
歌舞伎図巻 江戸時代(1610年前後)
Ⅲ 小袖模様雛形本と絵本にみる流行の変遷
新板小袖御ひいなかたなど 江戸時代(1670~1710年代)
Ⅳ 先端をいく若衆たち
男色大鑑 江戸時代(1680年代)
Ⅴ 公家、武家、町人、都市と農村
洛中洛外図巻 江戸時代(1700年前後)
終章 日本服装史の成立
これまでとこれから
【著者紹介】(発行当時のものです)
森理恵(もり・りえ)
1961年愛知県生まれ。
京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
京都府立大学人間環境学部准教授。
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