畿内五大古墳群の構造と特質・政治的配置、地方首長墓の動向と政治秩序等の問題を通じて古墳時代の政治構造を考察。
また、群集墳の副葬品より、農民の武器所有についても考察する。

【目次】
序章.古墳時代政治構造研究の課題と方法
第一章　前方後円墳研究の一情況
　一　前方後円墳研究の意義
　二　前方後円墳研究の方向性
　三　首長墓系譜の消長
　四　前方後円墳に表象された政治構造
　五　前方後円墳の編年
第二章　畿内五大古墳群の構造と特質
　一　畿内五大古墳群の消長
　二　畿内五大古墳群の歴史的意義
　三　大王墓の変遷と大和政権の構造
第三章　佐紀古墳群をめぐる諸問題
　一　佐紀古墳群の構成
　二　佐紀古墳群の特質
第四章　畿内五大古墳群の政治的配置
　一　前方後円墳国家を表象した前方後円墳
　二　大和政権の拠点を守護・示威した畿内五大古墳群
　三　都市を欠落させた前方後円墳国家
第五章　地方首長墓の動向と政治秩序
　一　各地の古墳群
　二　丹後地域の大型前方後円墳
　三　重層化した地域の政治秩序
第六章　群集墳研究の課題と方法
　一　群集墳研究略史　
　二　群集墳研究の諸問題
第七章　群集墳論序説
　一　群集墳の分析
　二　群集墳の構成原理
　三　群集墳と政治秩序
第八章　横口式石槨の編年と年譜　
　一　研究史
　二　型式分類と編年
　三　各要素の消長
　四　系譜
　五　横口式石槨の歴史的意義
第九章　後期古墳の副葬品と農民の武装
　一　後期古墳の副葬品
　二　農民層の武装
第十章　前方後円墳と大和政権
　一　前方後円墳の概念
　二　前方後円墳祭祀とは何か
　三　前方後円墳に媒介された政治秩序
　四　大和政権の構造
　五　前方後円墳祭祀その後
　六　おわりに

【著者紹介】（発行当時のものです）
広瀬和雄（ひろせ・かずお）
1947年京都府生まれ。
同志社大学卒業。
博士（文学）。
国立歴史民俗博物館研究部教授、総合研究大学院大学教授。