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本書は「近世における災害情報とかわら版」、「安政江戸地震と情報問題」の二部より構成され、地震及び噴火などの突発的な災害の体験がどのようなかたちで書き残されているのかを、江戸時代を中心に調査・分析する。
著者は、理学系の研究者ばかりでなく、歴史学者が地震などの災害の体験を今に伝えておくことの重要性を提起している。
【目次】
Ⅰ近世における災害情報とかわら版
第1章 大坂夏の陣のかわら版は実在したか
1 大坂夏の陣かわら版について
2 夏の陣の跡を歩く
第2章 かわら版にみる江戸時代の災害情報
1 災害の序列化
2 災害規模と情報量
3 災害情報の表と裏
第3章 災害絵図研究試論
1 近世災害絵図の分類
2 天明3年(1783)浅間山噴火
3 寛政4年(1792)島原普賢岳噴火
4 弘化4年(1847)善光寺地震
5 安政東海・南海地震(1854)・安政江戸地震(1855)
第4章 近世災害情報論
1 近世情報構造のなかの災害情報
2 善光寺地震の災害記録
3 災害情報の流布
4 まとめ -災害情報から「風説留」へ-
第5章 江戸時代のメディア かわら版は何を伝えたか
1 小野秀雄コレクションの展示作業から
2 いろいろなコレクションとの比較
3 名古屋城下の情報収集録「鶏助集」
4 かわら版とは何か
5 かわら版の始源へのこだわり
6 小野コレクションの傾向性
7 物を集める遊び心
8 メディアとしてのかわら版の特性
9 かわら版のいろいろ
Ⅱ 安政江戸地震と情報問題
第6章 安政江戸地震における武家地の被害について
1 大名屋敷の被害について
2 旗本屋敷の被害について
3 震災直後の江戸城内
4 江戸城の被害
第7章 安政江戸地震情報の伝播過程
1 情報伝播過程にみられる地域性
2 被災地周辺部にみる村落支配層の行動特性
3 情報行動にみられる階層性
Ⅲ 災害と災害意識
第8章 災害と災害意識
1 被害の量的把握
2 もうひとつの災害認識
第9章 本草学のナマズから鯰絵の鯰へ
1 本草学のなかのナマズ
2 琵琶湖のナマズ
3 地震鯰絵のなかの鯰
付論 「地震火災版画張交帖」と石本巳四雄
1 「地震火災版画張交帖」の概要
2 地震研究所「石本文庫」について
3 石本巳四雄について
資料1 天狗倒し考
「地震火災版画張交帖」目録
【著者紹介】(発行当時のものです)
北原糸子(きたはら・いとこ)
1939年生まれ。
津田塾大学学芸学部英文科卒業。
東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。
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