『三国遺事』は、正史である『三国史記』に収録されなかった異伝や数多くの民間伝承が集められた朝鮮古代史の基礎史料であるが、これまで難解なため全面的研究書はなかった。
本書上巻は「王暦」と「巻第一(紀異第一)」について、
中巻は「巻第二(紀異第二)」について、
下之一は「巻第三(興法第三、塔像第四)」について、
下之二は「巻第四(義解第五)」について、
下之三は「巻第五(神呪第六、感通第七、避隠第八、孝善第九)」について、
各巻「正徳本」(1512年)を底本に、校訂した原文・訳文・注解を施して考証した初の総体的研究。
国内・外の斯界から久しく渇望されて来た全五巻完結。

【執筆者紹介】（発行当時のものです）
◎村上四男（むらかみ・よしお）：1914年生。東京文理科大学東洋史学科卒業。朝鮮史専攻。和歌山大学名誉教授。
◎井上秀雄（いのうえ・ひでお）：1924年生。京都大学文学部史学科卒業。朝鮮古代史・古代日朝関係史専攻。東北大学名誉教授・樟蔭女子短期大学学長。
◎笠井倭人（かさい・わじん）：1927年生。名古屋大学文学部史学科卒業。日本古代史専攻。京都女子大学講師等を歴任。
◎木下礼仁（きのした・れいじん）：1926年生。同志社大学大学院修了。日本古代史・朝鮮古代史専攻。近畿大学教授。
◎江畑武（えばた・たけし）：1936年生。同志社大学大学院修了。日本古代史専攻。阪南大学教授。
◎鄭早苗（ちょん・ちょみょ）：1944年生。大阪市立大学大学院修了。朝鮮古代史専攻。大谷大学助教授。
◎田中俊明（たなか・としあき）：1952年生。京都大学大学院修了。朝鮮古代史専攻。堺女子短期大学助教授。