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第21回上代文学会賞受賞
本書は、日本語が漢字と出会ってから現代に見るような漢字仮名交じりの方法を獲得するまでの歴史を考えるにあたって、漢字による日本語書記の諸相を、主としてその方法論を中心に検討したものであり、重層的な古代の位相に注目することによって従来の単線的な歴史記述に対して反省をうながし、新たな日本語書記史の研究方法を提示する。
【目次】
第一部 文学史の方法
第一章 文学史の方法
第一節 言語における文字の位置付け
第二節 日本語書記の展開と文学史の方法
第三節 文学史の時代区分
第二部 書記の論
第一章 『万葉集』の「書き様」と万葉用字法研究史
第一節 森本・時枝論争と『万葉集』の「書き様」研究の方向
第二節 仙覚の方法
第三節 「仮名」の定位
第四節 具書・略書の研究史的意義
第五節 戯書の研究史的意義
第六節 人麻呂歌集略体歌の「書き様」の本質
補説1 略書の一側面
補説2 万葉の書き様の継承と展開
第三章 宣命書きの成立と展開
第一節 宣命書きの成立
第二節 部分的宣命書きの機能
第三節 他田日奉部直神護解にみる宣命書きの機能
第四節 宣命書きからみた『古事記』の書き様
第五節 宣命書きの展開
第三部 漢字の論
第四章 文字認識をめぐる諸問題と近世字体意識
第一節 同形異字
第二節 文字の異同と通用
第三節 規範と同字認識
第四節 書体と規範
第五節 一つの規範意識
第五章 新たな漢字の創製と日本的漢字の一用法
第一節 誤用からの創製
第二節 国訓成立過程の語彙論的考察
第三節 偏旁添加字
第四節 仙覚『万葉集注釈』の文字意識と注釈方法
第五節 古注釈の文章にみえる漢字の一用法
【著者紹介】(発行当時のものです)
乾善彦(いぬい・よしひこ)
1956年奈良県生まれ。
大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。
関西大学文学部教授。
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