塙選書35

あるときは日本の文学、芸能を辛くも支えたもの。
それらの委細について、先学の研究の跡を紹介しながら日本の文学、芸能史上への影響を考察、未解決の課題を展望し、その解決に必要な文献資料を掲げて探求方法を明示する。
文学史の盲点にひとつの指針を与える書。

【目次】
前篇　日本仏教文学　－意義・方法・対象－
　第一章　日本仏教文学研究の意義
　　　１　序説
　　　２　仏教文学とは何か
　　　３　日本仏教文学とは何か
　　　４　日本文学史と仏教文学
　　　５　仏教文学史の性格
　　　６　仏教文学研究の意義
　　　７　視野と観点
　第二章　日本仏教文学研究史
　　　１　研究における偏向
　　　２　研究史における各期とその性格
　　　３　第一期　－明治期－
　　　４　第二期　－大正期－
　　　５　第三期　－昭和前期－
　　　６　第四期　－昭和後期－
　第三章　日本仏教文学の対象
　　　１　聖典及び翻訳文学註釈文学
　　　２　碑文銘記類
　　　３　仏教歌謡
　　　４　法儀文学
　　　５　僧伝文学
　　　６　仏伝・聖讃仰の文学
　　　７　仏教説話文学
　　　８　教義宣揚・勧化教誡の文学
　　　９　教団の歴史文学
　　　10　仏教詩歌
　　　11　仏教芸能詞章
　　　12　仏教伝説及び笑話
　　　13　仏教小説稗史類
　　　14　仏教随筆
　　　15　仏教紀行類
　　　16　仏教思想と文学との関係
　　　17　仏教と言語
　　　18　仏教と印刷
　　　19　仏教と他の宗教文学との関係
　　　20　緇徒文学
　　　21　文学研究者としての緇徒
　　　22　国学者と仏教
　　　23　仏教と文学様式・文体の問題
　　　24　僧侶の自然観と文学
　　　25　仏教行事と文学的事象との関係
　　　26　寺院芸能者の問題
後篇　唱導文芸史稿
　第一章　序説
　第二章　中国における唱導
　第三章　日本における初期の唱導
　第四章　中古の唱導
　第五章　中世の唱導
付篇　仏教文学関係文献
　Ⅰ　仏教文学関係叢書目録
　Ⅱ　仏教文学関係雑誌論文目録
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
【著者紹介】（発行当時のものです）
永井義憲（ながい・よしのり）
1914年千葉県生まれ。
大正大学文学部国文学科卒業。
博士（文学）。
大妻女子大学名誉教授。